すべるもんじゃねぇ 修学旅行のスキーなんて
今週のお題「雪」
スポーツ万能少女だったんですよ、私。
だから高校の修学旅行で志賀高原、
初めてのスキーもめちゃくちゃ楽しみでした。
悪夢のスキー体験になるとも知らず…。
女子20名位にインストラクターが1人。
生徒達はみんな同じダッサイスキーウエア。
くそ真面目な田舎娘達は、
それはそれは真っ白な雪原に、
着せられ持たされ立たされた
人形か兵士のよう。
しばらく歩かされ、私はある事に気付きます。
「あれ?わたしのスキー板、長くね?」
私、小さい頃から小さくて、当時も身長
150㎝です。
なのに、他の友達の誰よりも板が長い。
初心者なんで、関係ないんやろ、
と笑ってました。
しかーし。
さあ、両足をハの字にして!
ガチャ、板の先端が重なって動けませーん。
さあ、歩く方向転換、片足の板を浮かせて!
うー、重くて浮きませーん!
さあ、傾斜が急になったコースだよ。
ゆっくりカーブしながらすべるよ!俺に付いてきて!
シャーーーッ!カーブできませんっ
こらあ!俺の先に行くなー、止まりなさい!
ヒーッ、止まりませんっ
内側に体重!エッジ!☆×◇聞こえない
ヒーッ、だから無理〜ぃ………
初心者が中級コースを直滑降して一番下まで。
死ぬかと思いましたさ。
スピードでるし、転けなくちゃ
と思うけど怖いし。
ぶつかったらどうするんだ!
かなりの時間をかけて、
グループへ合流する頃は汗と涙と鼻水で、
そりゃひどいものでした。
なぜ。
なぜだ。
なぜ一番長い板を持たされたのか。
私は枕投げも恋バナもうわの空で夜を過ごし、
ダッサイスクールジャージで朝を迎えました。
2日目、
あの長いスキー板を再び手にする時が来ました。
なにっ❓
スキー板の貸し出しリストに
担任が記入した数字が見えたのです。
かかの本名 身長180㎝
ばーか!ばーか!ばーか!
手書きの150の数字が続け字で、
しゃららーと書くと180に見えるんだよ!
大人のばーか!
なんてぇ、仕事しやがるんだい!